黒い肌に、はち切れんばかりの筋肉― ソレに見合う巨躯には、巨大な戦斧を、携えている。 まさに鬼、と言っても、過言ではない。 「……さぁ、闘ろうゼ」 闘兵衛は両拳を肩程まで上げると、半身に構え、黒鬼に叫び掛ける。 「……」 黒鬼は黙したまま、銅像のように動かなかった。 闘兵衛と黒鬼の距離は、まだまだ詰まってはいない。 互いの身体能力を持ってすれば、一瞬で攻撃ができる間合いに入れるハズであった。