「……そうですか。ならば生き残った方が、仲間を救いに行ける。と、言う事ですね?」
桃華は淡々と答え、太刀を正眼に構える。
その眼に怒りや焦りはなく、真っ直ぐにロインを見据えていた。
「……妹というだけで、あの方と同列に扱われる貴女の存在が、非常に憎いっ!!」
憎悪に漲る瞳を携えて、ロインは怒鳴り散らす。
ロインがこれほど感情をさらけ出すとは、桃華は思ってもいなかった。
急速に渦巻いていく殺意は、桃華とロインによって増幅されていく。
今、鬼鴉に関わる人間達の死闘の、第一幕が始まろうとしていた。
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