「忌ま忌ましいっ……」 ロインは眉目秀麗なその顔を、鬼のような形相に豹変させると、呻き声を上げる。 「たかだか血の繋がりだけで、あの方を感じるが如き言動……」 なじるように語尾を荒げて、ロインは桃華を睨みつけた。 「……アナタは、何様のつもりです?」 左腰に下げている細剣・レイピアを抜き放ちながら、ロインは尋ねるように言葉を吐き出す。 ソレは、憎悪であった。