「……あの男がトウベェですか?」 「鬼人は、何処に?」 ロインの質問に答えず、桃華は自分の用件ダケを声にする。 「鬼人様は、いません。ココには私だけです」 不機嫌な表情でロインは即答すると、桃華を睨みつけた。 「……嘘ですね。あの人がいないのに、アナタが此処にいるワケがありません」 桃華は冷静に、ロインの嘘を見破る。 「それに、鬼人の存在を感じますから……」 推測や憶測の域を越えた表現を、桃華は言葉にしていた。