黒装束は美しい身体の線を隠す事なく表わしており、その女性は身動き一つせずに、ただ立ち塞がっている。

微動だにしない姿は、まるで一流の芸術家が創った、金髪の彫像のようであった。


「……あのヒトは、私が相手をします。闘兵衛、先に行って下さい」


「!?」


ロインとの睨み合いが続く中、不意に桃華は前に一歩踏み出し、呟く。


闘兵衛はその雰囲気に顔をしかめ、桃華と見つめ合った。