城内を進む闘兵衛ら一行の前に、大きな扉が差し掛かろうしている。


「っ!?」


「……アレが、黒鬼ってヤツか?」


険しい表情を浮かべている桃華を尻目に、呆れたように銃佐ェ門は呟く。


闘兵衛らの眼前に現れたのは、黒装束に身を包んだ女性であったからだ。

鬼と呼ぶには、美し過ぎる。



(……ロイン……)



桃華はその女性を睨み据え、思いを巡らすのであった。