黒鬼― 鬼鴉、親衛隊隊長― 元は、桃華の上官にあたる男性だった。 親衛隊の副隊長であった桃華は、黒鬼との面識はある。 黒鬼の怪我と任務上の事情から、実力をその目にする事はなかった。 闘兵衛と戦ったという事さえ、単なる出来事として頭の片隅に残っていたダケである。 その闘兵衛に強敵とまで言わ占めたのだから、余程のモノなのであろう。 これから続くだろう激戦に、桃華はただ武者震いを覚えるのみであった。