「今朝、起きがけに夢を見てな……」 「……?」 明朝、鬼人の元へと訪れたロインは、突然の発言に首を傾げる。 「日本での、夢だ。久々に父上と母上の姿を見たのだが……」 淡々と夢の内容を語り続ける鬼人には、現実味がない。 「私にナニか訴え掛けていたようだが、よく聞き取れなかった」 「……夢、ですから」 鬼人の珍しい発言の内容に、ロインは調子を崩されながらも、あっさりと答えていた。