「……ジェノスの件を、どう思う?闘兵衛」 銃佐ェ門は船の縁に背中を預けながら、闘兵衛に声を掛ける。 「さぁな?あの女の考えてる事は、よくわからんよ……」 闘兵衛も銃佐ェ門と同じように、縁にもたれ掛かると呆れたように呟く。 ジェノスという人物は、闘兵衛が形容したように謎の多い女性、である。 一筋縄では説明のつかない、底の見えない人物であった。