「……そうですか」 その答えに慌てる事なくアークは確認し、桃華と真正面に向かい合う。 「我々は鬼鴉という看板に仕えたワケでは、ありません……」 意を決して、アークは声を発する。 「ヒトに、トウカ様という人物に付き従ったと、今でも思っております」 それこそが、アークらの脱隊した理由なのかもしれない。 「貴女が望む事ならば、我々は手をお貸しいたします……」 うやうやしく頭を下げ、丁寧に語り掛けるアークは、笑みを浮かべるのだった。