コレ程の動きが取れるならば、とっくに仕掛けて来てもイイはずである。 不自然― 相変わらずといってイイほど、外套の集団に殺気が無い。 膠着した睨み合いが数刻間、闘兵衛らと謎の集団の狭間で続いていた。 不意に、外套の集団の中から、小柄な人物が歩み出る。 その人物は闘兵衛らと、外套の集団の睨み合いの間に立つと、身を隠していた外套を脱ぐ。 外套の下から見せたその姿は、金髪の少年であった。