「アチラから、そういう殺意を感じません。ナニか、別の意図があるようですが……?」
皐月は背中の大太刀に手を掛けながらも、うたぐり深く囁く。
「同感、ですね。仕掛けて来る様子もありませんし、誘い込んでいるような気配が、あります」
桃華も皐月に同調するように口を開き、謎の集団に視線を送った。
先程から外套の集団は、武器に手を掛けているものの、攻撃してくる気配は無い。
ただ、闘兵衛らを誘うようにして、間合いを詰めている。
人目のつかない場所へ―
無言で圧力を掛ける集団は、明らかにその雰囲気を醸し出していた。
