「船長は、動きません。あの人がその気なら我々は既に、蛮族の城とやらに着いているでしょう」 意味深に声を発する皐月は、複雑な表情で山鼠の肉を睨む。 「……彼女がヤらないという事は、関わらないという意味でしょうね?」 そのまま苦笑を浮かべ、皐月は結論をつけたが、山鼠の肉に対しては微妙におじ気ついていた。 「フム……」 銃佐ェ門も山鼠の肉を一瞥しながら、妙に納得する。 おそらくは、皐月の言う通りであろう。 ジェノスという人物は、そういう人間である。 利が無ければ、動かないという事だ。