「成る程、闘兵衛が惚れるワケだ……」



1人の男性が、ボソリと呟く。


男性の視線の先には、まるで春風を思わせるような、女性の姿があった。


女性の名は、桃華―


桃華は面倒見が良いというか、ヒトに対する気配りや配慮が、良くできている。

今も、仲間のもう1人の女性と野宿の為にその準備を行っているのだが、嫌な顔一つ見せずに皆を先導していた。