ある者には恐怖を与え、その存在は道理が通用しない事をわからしめる。 ある者には希望を与え、どんな絶望ですら弾き返す程、屈強さを見せた。 まさに、天災。 災害に近いその存在は、街に訪れ、通り過ぎ去るだけであった。 人にとって、他人というモノは助勢にもなり障害ともなる。 或いは関わる事も無く、道端の小石ほど無価値な時もあった。 災難とは、そういった事である。 人間とは、そういうモノなのだ。