洞窟に残る紅拳は、思案に更けていた。 自分を敗った相手が今まさに、死神という忌み名を持つ化け物と、最強を決める争いに巻き込まれようとしている。 出会いは、必然― 宿命ともいえる闘いは、避けて通れないモノ。 「なんの因果か……」 紅拳はそう呟くと、洞窟を後にする。 そこから、紅拳の姿は島から消えていた。 紅拳の目的はわからないが、鬼鴉に関わっていた者達が動き出す。 闘いの匂いにおびき寄せられるか如く、集結しようとしていた。 最後の闘いは、近い―