「たった、1人にっ!!部隊を全滅させられて、キビト様と俺は、2人で迎撃を行った……」 戦争の一角、1人で戦局を覆すその死神に、ただ恐怖を覚える。 「防戦一方。2人掛かりでも、守るのが精一杯」 鬼人と黒鬼をもってしても、ソレが限界だったという意味だろう。 「……なんの太刀打ちもできず死を覚悟した時、アイツは我々に、取引を持ち掛けてきた」 黒鬼はそれまで抑えていた恐怖をさらけ出すと、口早に言葉を吐き出していた。