「アイツは、この街には相応しくない……。だからこそ、自分の居場所に帰ったんだろう」 紙洲はさらに、桃華に話し掛けていた。 「昨日の復讐っぷりを見たが……、あれは餓狼、狂った獣だよ」 「そんな事はないっ!!あいつは普通の青年、筋を通した男だった」 紙洲の言葉を、桃華は頭を激しく横に振りつつ、否定の言葉を漏らす。 闘兵衛が街に下山して、たった一ヶ月程度ではあったが、その闘いは係わった者達全てに深い衝撃を与えていた。