「国同士の小競り合いに雇われた我々は、闇夜の戦場で、アイツと相対した……」 「……」 ここからが正念場、といった所であろう。 紅拳は冷静に、黒鬼の次の言葉を待つ。 「全滅……。キビト様と俺が率いる200人からなる部隊が、たった1人に崩壊させられた」 「なっ!?」 黒鬼からもたらされた内容に、紅拳は驚愕と共に戦慄を覚える。 「……後詰めで援軍に来たロインの部隊も、半数以上ヤられ、キビト様と俺で戦う事となった」 「……フム」 感情も込めず、朗々と語る黒鬼に、紅拳は相槌を打つのだった。