――翌日―― 紙洲は、久しぶりに貧乏長屋に訪れた桃華に声を掛けていた。 「闘兵衛からの言伝だ。すまない……、とナ」 紙洲の言葉の意味を把握したのか、桃華は慌てて問い掛ける。 「っ!!……闘兵衛は、どこにっ!?」 桃華は青ざめ狼狽しながら、紙洲に詰め寄っていった。 「アイツは、全て終わらせたんだ」 「私との、約束は……」 桃華は紙洲の話しも聞かず、崩れるように柱に寄り掛かる。