「鬼人殿が危惧していた闘兵衛との再会を果たした結果、か……」
独り言のように呟く紅拳は、表の出来事と、裏の真相を知るだけに結末にも近い言動をおこなう。
「親衛隊の兵達も、脱退脱走したらしいね?」
さらにえぐり取るようにして、紅拳は口を開く。
「鬼鴉に兵はなく、名前しか残っていないんじゃないかい……?」
紅拳は両腕を広げ、虚仮にするように語っていた言葉に、片を付ける。
「……」
痛烈なる紅拳の皮肉に、黒鬼は閉口するしかできなかった。
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