「後悔しているのか?」


「まさか?……武道家にとって、強者と闘える事は至福の時……」


黒鬼の質問に、あっさりと否定の言葉を返す紅拳は、さらに口を開く。



「死なずに済んだのは、運が良かったダケよ」



結果は結果であり、あまり執着はしていないようである。


「闘華殿も、鬼鴉を脱退したらしいわね?」


続けて口を開いた紅拳ではあるが、いきなり核心を突くのだった。