海上に浮かぶ、島― 岩山で形成されたその島は、不気味な程静かに、存在感を強調している。 鬼鴉の隠れ家であった。 その島に、黒色の肌を持つ巨体の男性が、姿を現す。 名は、黒鬼― 着ている服の上からでもわかる、はち切れんばかりに鍛えあげられた筋肉を身に纏っていた。 それでいて柔軟さも兼ね備えており、その筋肉に見合う巨躯はまるで猛獣のようである。 鬼鴉親衛隊隊長にして、最強の戦士であった。