鬼人を、斬る―


どこで、どういう経緯を辿ればその結論に達するのかは、わからない。


兄と、妹―


使命感とも違う、覚悟にも似た決意である。

賛同する事も、見逃す事も出来ない。


全てを忘れ去り、日本に帰って幸せに暮らす事も出来るハズ―


血縁という俗世のしがらみは、桃華に重くのしかかる。


多くの人間が関わってきた鬼鴉と言う、忌み名―


元凶である鬼人を斬る事こそが、桃華にさだめられた宿命―


ソレは血を分けた者同士の、共鳴にも似ていた。