「……すまない」 鬼人は言葉短く呟くと、顔をしかめる。 複雑な心境にありながらも、さらに口を開く。 「ランスは、丁重に葬ってくれ……」 そう言い残し、鬼人はその場を立ち去っていく。 ロインは軽く頭を下げ、鬼人の後ろ姿を最後まで見送ると、不意に声を発する。 「クロオニ……。近くにいるのでしょう?」 「……あぁ」 ロインの呼び掛けに対して、暗闇から黒い肌を持つ巨漢の男性が現れた。