結果だけ見れば、鬼人の圧勝といえる。 しかし、ソレは紙一重の差であった。 咄嗟に鬼人が脇差しに持ち替えた判断が、功を奏したのだろう。 ランスの戦術、作戦を覆す事ができる。 ソレこそが、鬼人の業の由縁であった。 力任せの攻撃ならば、いくらでも対応する方法はある。 一瞬の接触であったが、鬼人とランスのコレまでの戦いの集大成だったともいえた。 凝縮された攻防だったのは、確かである。 濃密な命のやり取りは、鬼鴉の得ていた統べての破壊を、物語っていた。