「……」 鬼人は無言のまま太刀と脇差しを鞘に納め、戦友の死を見つめる。 焦燥感も、ナンの感慨も湧かない。 実感すら、なかった。 ただ、敵を倒したという結果しか遺らない。 「……ご苦労様でした。心中、お察しします」 ロインは静かに眼を綴じると、冥福を祈るように声を掛けていた。