「さすが、だ、な……」 急速に命の燭を失っていくランスは、息も絶え絶えにそう呟くと、床にゆっくりと崩れる。 ランスの生命は、すでに事切れていた。 鬼鴉同士の争いは一方の指導者の死によって、本当の終わりを迎える。 しかし、全てが手遅れであった。 兵士を失った彼らの顛末は、互いに手足を無くした昆虫のように醜く地を這う事しかできないモノとなる。 一方の喉元へと喰い付いて絶命させたものの、後は己の死を待つという、ナニも残らない結果になってしまった。