闘兵衛の脳裏に、父親と姉の後ろ姿が浮かぶ。 (……俺はっ!!) 剣山を死に致らしめた光景が、闘兵衛を縛る。 ナニも、残らない。 血まみれになった己の手だけが、結果であった。 自己満足。 単なる暴力は、ナニも生まない。 闘兵衛が求めたモノは、ナニも変える事も無く、ナニも癒してはくれないのであった。