(どちらも頭部を狙ってくる技。ならば……) 大剣を眼前に構え、ジリジリとランスは鬼人へと詰め寄る。 「……」 鬼人は無言のまま、太刀を上段に構え、待つ。 ランスとの間合いが触れ合った瞬間、鬼人は静から動へと変化する。 瞬速を思わせる動きは、それでいて鋭さも備えており、理詰めのように、ランスに迫った。 (……ッ相変わらずっ、疾やいっ!!?) ランスは心の中で叫び、大剣の背で防御の体勢を取る。 だが、大剣が少しばかりランスの右寄りになっている事は、鬼人にもわからなかった。