「キビト殿は、先にいるんだな?」 ランスはロインと視線も合わさず問い掛けると、先にある部屋を睨む。 「……」 ロインは無言のまま、手を奥の部屋へと翻す。 その動きは優雅そのものであり、まるで舞踏会のようだった。 だが、そのように華麗なモノでは無い。 ソレは、互いに抱く憎悪が、完全に否定しあっているからであった。