鬼 鴉【総集編】




「……バカッ。私も初めてだ」



照れ隠しのように呟いた桃華の肩が、震える。



『ギュウッ』



闘兵衛は、自分の震える手を握り絞めた。

女性にココまでさせておき、小動物のように怯える自分が歯痒い。



「ゴクリッ……」



生唾を飲み込み、まるで闘いに挑むように覚悟を決めた闘兵衛は、拳を開くと、優しく桃華を抱くのであった。