「ソレ次第では、観戦したいからネェ?」


「……承知しやした」


ジェノスの命令に深々と頭を下げて、ヴォルトは承諾する。

長い付き合いからだろうか、ヴォルトはジェノスの性格を把握していた。

ジェノスの行動はいつもの事であり、毎回毎回、振り回されている。


しかし、それこそが海賊のロマンなのであろう。


満足げに頷きながら立ち去るジェノスの背中に視線を送り、ヴォルトは毎度のように溜め息をつくのだった。