「……タダの通りすがりだと、言っただろうがぁっ!!」
闘兵衛はその激しい殺意を顔に表わし、不機嫌そうに声を吐き出す。
その表情に、浪人は恐怖と死を、感じ取った。
「ヒイッ!?」
浪人は、慌てて太刀の柄を握ろうとする。
『ガッ』
『バカァッ』
強引に押さえ込む音と、肉と骨の弾ける不快な音が響く。
闘兵衛は、浪人との間合いを瞬時に詰めると同時に、右脚で太刀の柄を押さえ込む。
さらにソコを踏み台にして、跳び左廻し蹴りで浪人の頭部を弾いていた。
「ぶぅはっっっ!?」
浪人はその衝撃からか、声をあげフラつく。
『ミチィッ』
さらに闘兵衛は、右手を鳥の觜のようにすると、浪人の左目に突っ込んでいた。
