「最後まで、そいつは、自分自身ってヤツを見せなかった」
無表情のまま闘兵衛は言葉を続けていくが、表情からは掴みきれない感情が、篭められている。
「それでも、俺達と共に戦った仲間に……、違いはない」
闘兵衛はそこまで言葉を並べると、ひざまづいている闘華に向けて、手を差し延べた。
「過去にこだわるのは、自分自身だ……」
搾り出し、闘兵衛が己に見出だした答えが、ソレである。
「俺達の仲は、そんなに安っぽいモノではないだろう?」
表情を柔らげ、闘兵衛は闘華に手を差し延べたまま、問い掛けていた。
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