「……俺の仲間に、過去を捨て、己を偽った奴がいた」


「っ!?」


四つん這いにひざまづく闘華の側まで近寄ると、闘兵衛は独り言のように口を開く。

突然語り始めた闘兵衛を見上げ、闘華は唖然とした表情を浮かべる。


「正確には、未来に背を向け、過去にしがみついた死に損ない……」


闘兵衛は思い出しながらも、半ば呆れたように語っていく。


「バカな奴だった……」


少し寂し気な雰囲気も漂わせながら、闘兵衛は続けていった。