~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王

「俺ぁ今は<黄昏の翼>の一員なんだよ」

「<黄昏の翼>っていえば……あの?」

「どの、かは知らんがたぶんそれであってる」

 えー! と大声を上げてアズラクは飛び上がった。その時麟紅を支えていた手を離したので麟紅は少しよろめいた。

「ほ、本当に!?」

「嘘言ってどうなる。それともうあんまりゆっくりしていらんねぇからもう行くぞ」

 首を鳴らして麟紅は大通りのほうへ歩き出す。

「え? 行くってどこに」

「帰るだけだ。もうこの学園に<黄金の暁>がいるってことは妹たちが危ねぇ。だから治癒魔法の人は今回はいいよ」

 もしかしたら自分の家まで襲ってくるかもしれない。妹だけはなんとしてでも守りたかった。

「そ、そう」

 アズラクの心配そうな表情を見送りと受け取って、麟紅は家路に向かうため自転車置き場へと向かった。