~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王

 *

「行ったか?」

「う、うん」

「クソ、いててて」

 ゆっくりと麟紅は立ち上がった。正直に言えば、体中ガタが来ていてこのまま寝ていたかったが。

「こんなに早く<黄金の暁>がやってくるたぁ思わなかったっつーの」

「どうする? 僕の知り合いに治癒に長けた人がいるけど」

「魔法使いか?」

「う、うん。そ、そうだ、なんで麟紅くんの右目に予知眼なんてものがあるの?」

 そういえば、逃げる最中に「後で話す」とか言っていた覚えがあった。しかし……

「正直俺も知らねぇよ」

「へ?」

「気付いたらこんなものが使えるようになってた、っつーのが正しい言い方かな」

「へ? で、でも他に魔法使えないんでしょ? だったらなんで予知眼とか知ってるの??」

 ああそういえばそのことも言ってなかったな、とややこしい状況になってしまったことに後悔する。