~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王

「クソがぁ……なめやがって……!!」

 御柳は刀を杖代わりに、ふらふらと立ち上がった。その間にアズラクは倒れた麟紅へ近寄り、立ち上がらせる。

「ヒャッハ! もう竜王術も予知眼も関係ぇねぇ……! テメェら二人ともブッ殺……!!」

 プルル、プルル、と無機質な携帯電話の着信音が鳴り響いた。
 一瞬御柳は不快な顔を作り、ジーンズのポケットから折りたたみ式の携帯電話を取り出す。

「……頭領……はい、え? 今ですか?」

 正直麟紅は驚いた。さっきまでぞんざいな口調だったのに、今の電話の相手には敬語を使っている。電話の相手はよほどの重役なのだろう。

「いや、しかし、今わたしとしてはあまり終わりたくないところなのですが……。はい……わかりました……頭領の意向に従うとします」

 頭領、と相手を呼んでいることから、おそらく何かしらの集団のリーダーが相手なのだろうと推測がつく。<黄金の暁>のリーダーという考えは呼び方からあまり考えられない。

「……はい、では」

 携帯電話を顔から離し、プッとボタンを押す音が聞こえた。