~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王

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 猛烈な突風が麟紅とアズラクを襲った。
 風に吹き飛ばされながらも、二人は突き当たりの角を別々に曲がり壁に背をついた。

「おい、アズラク! 秘剣術ったぁ一体何なんだ!?」

「秘剣術っていうのは剣に魔力を込めることでその剣に力を与える魔法なんだよ! 妖刀(ようとう)とか言われるのがその類!」

「そうさ」

 上空から声が聞こえた。見上げると、空から影が降ってきた。
 麟紅は慌てて横に身を投げ出し、間一髪のところで御柳の一撃を避けた。
 御柳が降り降ろした刀は麟紅がもたれかかっていた壁に線を引き、粉々に砕いた。
 その破壊力に、麟紅はゾッと寒気を感じた。

「あたしの流麗柳葉流剣術はテクニックを重視した剣術でね」

 フォン、と刀を横に払い、それを持った右手を高く上げ、刀の刃は上に、先端は下に向ける。

「そっちに偏った分力が不足するから、秘剣術で一撃の威力を強化してるのさ」

 言い方は気楽なのだが、そう言う目は鋭く冷たい。