ゆっくりと、麟紅は“戦車”から離れた。
 “戦車”の胸には、炎の剣が貫いていた。

「クックック」

 その状態のまま“戦車”は笑った。

「見事だよ、竜王術。いや、ここは御冠神楽麟紅を賞賛すべきかな」

 また少し、ククと薄気味悪く笑って、深いため息をついた。

「御冠神楽麟紅。ひとつ、聞きたいことがある」

「? なんだ?」

「お前が言っていた、“本物の強さ”っていうのは、このことか?」