~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王

「兄さん……」

「安心しろ」

 もう一度、紫音は力強く頷く。

「俺は絶対に、負けやしねぇ」

「話し合いは済んだかぁ?」

 痺れを切らした“戦車”がいらいらした口調で声をかけてくる。

「そんなこと言うわりには待ってくれたじゃねぇか」

「俺は戦いしか興味はねぇ。用が済んだらさっさと行きな」

「人質じゃなかったのか?」

「お前を呼ぶためだけの、な」

 “戦車”は薄く笑った。麟紅もつられて淡く笑う。

「紫音」

 紫音はさらにもう一度無言で頷き、漆黒の大空へ飛び上がった。

 まさにその瞬間。



 ――風が、裂かれた。