~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王

「くくく」

「? 何かおかしいか?」

 男は額に手を当て、さらに笑い声を大きくした。どこか狂っているようにしか見えなかった。
 しばらくそうやって笑い続けた後、額から手を離し、そうだ、と口を開いた。

「自己紹介がまだだったな」

「自己紹介ぃ?」

 脅しのつもりで少し目を鋭くしたが、もちろん微動だにしない。
 男はそんなことには無関心に、両手を胸の前で合わせた。

「<黄金の暁>七番のカード、アブドゥラ。人は俺を“戦車(チャリオッツ)”と呼ぶ」

 そのままの姿勢で一礼する。そして今度は両手を平行に並べ、低くつぶやいた。

「祈りたまえ、願いたまえ……」

 突如、その手の間から橙色の炎が現れた。

「俺が使う魔術は、炎術だ」

 炎が、“戦車”手の中で揺らめき、不気味な表情を見せた。