「そんな話は聞いていないぞ」
「知るか」
あっさり言い返すと、男は今度は沈黙してしまった。何か、考えているのだろうか。しばらくして、何かひらめいたように首を振った。
「いや、逆に考えろ。竜王術以外の魔法が使えないということは初めから竜王術を使わざるを得ないはずだ」
「誰が、最初から使うかよ」
一言で切って捨てる。男は面食らったように驚いた顔を見せた。さすがにこれに驚かないはずがない。
しかし、そうしなければならない理由だって麟紅にはある。
「帝(みかど)に体を貸すだけでボロボロになって返ってくんだよ。戦いが長引いたら体がもたねえよ」
そして、後ろには紫音がいる。不用意に帝の竜に体を貸して暴れられれば、紫音に被害が及ばないとは言い切れない。それに、魔法を使わないと言い切れば、相手のほうも少しは手加減してくれる。喧嘩慣れした麟紅独自の判断だった。
しかし、想定と現実は違う。
男は、笑っていた。
「知るか」
あっさり言い返すと、男は今度は沈黙してしまった。何か、考えているのだろうか。しばらくして、何かひらめいたように首を振った。
「いや、逆に考えろ。竜王術以外の魔法が使えないということは初めから竜王術を使わざるを得ないはずだ」
「誰が、最初から使うかよ」
一言で切って捨てる。男は面食らったように驚いた顔を見せた。さすがにこれに驚かないはずがない。
しかし、そうしなければならない理由だって麟紅にはある。
「帝(みかど)に体を貸すだけでボロボロになって返ってくんだよ。戦いが長引いたら体がもたねえよ」
そして、後ろには紫音がいる。不用意に帝の竜に体を貸して暴れられれば、紫音に被害が及ばないとは言い切れない。それに、魔法を使わないと言い切れば、相手のほうも少しは手加減してくれる。喧嘩慣れした麟紅独自の判断だった。
しかし、想定と現実は違う。
男は、笑っていた。

