~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王

 *

「……」

 麟紅は立ち止まっていた。朽葉と別れてまだ二、三分も経っていない。しかし、目の前にいる人物には、それだけの価値があった。

「御柳(みやなぎ)……」

 その高い身長を優に超す、まさしく物干し竿と言えよう日本刀を肩に提げた女、御柳が、月明かりを背に立っていた。
 路地では気付かなかったが、御柳は裸足に草履というなんとも雑な格好だった。いや、それは曲がりなりにも武士であることの表れかもしれない。

「そういやてめえも<黄金の暁>だったな。今度はなんだ? さっきの続きか?」

 麟紅が挑発気味に尋ねると、御柳は首を振って静かに答えた。

「残念だけど、今あたしはあんたの相手はできないんだよ。それと、今は“月(ザ・ムーン)”って呼びな」

「できないってなんだ?」

「その言葉どおりさ」