*
「……」
麟紅は立ち止まっていた。朽葉と別れてまだ二、三分も経っていない。しかし、目の前にいる人物には、それだけの価値があった。
「御柳(みやなぎ)……」
その高い身長を優に超す、まさしく物干し竿と言えよう日本刀を肩に提げた女、御柳が、月明かりを背に立っていた。
路地では気付かなかったが、御柳は裸足に草履というなんとも雑な格好だった。いや、それは曲がりなりにも武士であることの表れかもしれない。
「そういやてめえも<黄金の暁>だったな。今度はなんだ? さっきの続きか?」
麟紅が挑発気味に尋ねると、御柳は首を振って静かに答えた。
「残念だけど、今あたしはあんたの相手はできないんだよ。それと、今は“月(ザ・ムーン)”って呼びな」
「できないってなんだ?」
「その言葉どおりさ」
「……」
麟紅は立ち止まっていた。朽葉と別れてまだ二、三分も経っていない。しかし、目の前にいる人物には、それだけの価値があった。
「御柳(みやなぎ)……」
その高い身長を優に超す、まさしく物干し竿と言えよう日本刀を肩に提げた女、御柳が、月明かりを背に立っていた。
路地では気付かなかったが、御柳は裸足に草履というなんとも雑な格好だった。いや、それは曲がりなりにも武士であることの表れかもしれない。
「そういやてめえも<黄金の暁>だったな。今度はなんだ? さっきの続きか?」
麟紅が挑発気味に尋ねると、御柳は首を振って静かに答えた。
「残念だけど、今あたしはあんたの相手はできないんだよ。それと、今は“月(ザ・ムーン)”って呼びな」
「できないってなんだ?」
「その言葉どおりさ」

