~異種魔法異能力挌闘SFファンタジー~ 帝竜 -ミカドノリュウ- Ⅱ 竜と炎の王

 とそこで朽葉の反論は止められてしまった。

「? なんでござるか?」

 という朽葉の疑問も耳に入れず、檸檬は道路のほうへ走っていった。

「これこれ、どこに行くでござるか」

「今さっき」

 校門とは逆の方向を向いて、檸檬は立ち止まった。

「リン兄(にい)がすごい顔で走っていったよ」

「? どれどれ、おや、ホントでござるな」

「見えるの?」

「うむ、多少はな」

 よく目を凝らしてみると、確かに麟紅の後姿が見えた。その走り方は、どこか焦っているように見えた。

「何かあったようじゃな……」

「追ってみる?」

「そのほうがよさそうじゃ。檸檬、ちょっと連れてってくれんか?」

「うん!」