素直になんかなれない



―――それから一週間。



あたしと昴は
まるでお互いが見えてないように過ごしていた。

一日同じ教室に居ても
目も合わなければ、もちろん会話なんてしない。


携帯だって鳴らないし
たまに来るメールは、ヨッシーか中学の友達だけ。

ほとんどが昴で埋められていた着信ですらもう、昴の名前はうんと下に消えてしまった。



授業中に、メールをこっそり打ち合ってたあの日は

もう随分と昔のよう。



美帆はそんなあたしたちに気付いてか、昴にくっついて歩いてる。



そして失ってしまった日々を埋めるように、時間だけは過ぎ

あんなに流していた涙も渇ききった頃、再び心を揺らされる言葉に出会ってしまったんだ。






「ヨッシー、あたし職員室行って来る。」

「はいよーん。」


その日、あたしは
先生に提出しなければならないクラス全員分のプリントを、放課後、職員室へと持っていかなければならなくて。


買い物に付き合って、と言われたヨッシーを教室に待たせ

一人廊下を歩いていた。