素直になんかなれない



この気持ちを、感情を

何て言葉で表せばいいのだろう。



昴に伝えた事
その事に後悔はないのに

何故か、あたしの胸は確かな痛みを感じてる。


そう、例えるならば
誰かがこの胸をえぐっているような、そんな鋭い痛み。



その痛みから逃げたくて
一人きりの部屋で、あたしは小さく膝を抱えた。

そして顔を埋めると、張り詰めていた糸は
いとも簡単に切れてしまったんだ。




「……っ、」




―――昴を、困らせたかったんじゃない。



こんな風に
傷つけ合いたかった訳じゃない。

本当は、別れたくなんてなかった。


でも、もう
どうしようもなくて。



辛くて、苦しくて
やり場のない気持ちに、導いた答えが

“別れ”しか、なかったの。



ごめんね、昴…。

本当に、ごめんなさい。


だけど
許して欲しい、なんて言わないから。




だから、どうか
どうかこの気持ちを、ひとつだけでも

汲み取って欲しい。