素直になんかなれない



もう、どう思われてもいいって思った。

どうせ別れるなら
言いたい事は、全部吐き出してしまえばいい。


そうしたら
少しはこの心も、軽くなるかもしれない。

こんな悲しみからも、開放されるって。




あたしは、噛み締めてした唇を
ゆっくり開いて、思いを口にした。



「…だって昴…川崎くんの誕生日パーティ、行ったじゃん…。」

川崎くんっていうのは
もちろんアキラくんの事で。


それを聞いた昴は、は?と目を丸くして答える。


「それは、寧々が行ってもいいって言ったから、」

「でも、あたしは行って欲しくなかった!」

「何だよそれ…。じゃあ、あの時何で行っていいなんて言ったんだよ!」

「昴なら…行かないって言ってくれるって思ったから…っ、」



…ほら。

やっぱり、結局はこうやって喧嘩になるんだ。



最初からわかりきってる事じゃない。

話し合いなんて、するだけ無駄なんだよ。



あたしたちは
価値観が違うんだもん。

それが、現実。

それが、あたしたちの思いの違いなの。



それでも、昴はこの関係を続けたいって思う?


付き合っていけると、思うの?