突然アタシの腕をつかんだ。 「ひゃっ」 「さっきの『借り』はこれでいいよ」 そう言った途端、突然、唇が重なった。 「ふっ!?っ」 強い力… 強すぎて、アタシの力なんて適わない。 ドンドンと強く胸を叩いても、びくともしない。 離れたくても、重なり合う唇がアタシを支配して、 …逃れられない…。 「やぁっ」 必死に抵抗した途端、 確かに分かる、舌の感触。 「ぁっ!」 甘い声が、非常階段に響き渡る。